おかげさま

借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる

金を持てば 古びた女房が邪魔になる

所帯を持てば 親さえも邪魔になる

 

衣食住は昔に比べりゃ天国だが

上を見て不平不満の明け暮れ

隣を見て愚痴ばかり

 

どうして自分を見つめないのか静かに考えてみるがよい

一体自分とは何なのか

 

親のおかげ

先生のおかげ

世間様のおかげの固まりが自分ではないか

つまらぬ自我妄執を捨てて得手勝手を慎んだら

世の中はきっと明るくなるだろう

 

俺が、俺がを捨てて

おかげさまで、おかげさまでと暮らしたい